平成28年度 福井県消費生活センター主催 「わたしの選択とこれからのくらし くらしの基本セミナー(全10回講座)」第10回(最終回)
日時:平成28年11月16日(水)10:00~12:30
場所:アオッサ6階 601C
最終回のテーマは「消費者市民社会を実現するために」。
これまでの講座の振り返りを行った後、大阪体育大学特任教授で福井大学名誉教授の荒井紀子先生を講師に「消費者市民社会を実現するために-考え、判断し、行動する-」と題して、締めくくりの講義をしていただきました。
大気汚染によるぜんそく、水銀中毒、環境汚染、外見重視の添加物多用などの高度経済成長時代の中、「暮らしの手帖」での使い手側に立った商品テストや琵琶湖石けん運動、消費者の要望による安全な食品の開発、産直活動など消費者が主体となった活動例を説明していただき、クリティカル(批判的)に考えること、事実に即して考えること、また柔軟に物事をとらえることの大切さを教えていただきました。商品購入は消費者の投票行動です。「明日の社会を創る主人公(消費者市民)としておかしいと思うことには声を上げましょう。」「自分たちの行動が、次の世代の社会を作っていくことを自覚し行動しましょう。」と受講生に呼びかけていらっしゃいました。
また、1992年のリオでの地球サミットで当時12歳の少女(セヴァン・スズキさん)が各国の代表の前で行ったスピーチをご紹介いただきました。破壊され続けている地球環境について「大人のみなさん、どうやって直すのかわからないものを壊し続けるのはやめてください」「言葉ではなく、行動で示してください」と訴え、現在と未来に責任を持つ私たちに行動を強く促したスピーチでした。
このセミナーに8回以上出席された受講生には、福井県消費生活センターの南保所長から修了証書が手渡されました。本講座の目的は、10回の講座を通じて、消費者として「自分ができることは何か」を考えて、学び、発信することが目的です。私たち消費者の選択が、これからの社会に大きく関わっています。受講生のみなさんが、学んだことを実践していただけるよう願います。
修了された皆様、お疲れ様でした。ご参加いただき、ありがとうございました。
消費者団体との交流では福井県消費生活研究会の加藤会長から活動内容のお話をいただきました。自主研究組織として月1回の定例会を持たれ、商品テストなども行っているお話に、受講生が高い関心をもたれていました。
参加者のみなさんからの声(アンケートより抜粋)
- 批判的思考の重要性を学ぶことができた。
- 情報をうのみにせず、事実かどうかの見極めが大切と感じた。
- 消費者が主体性を持って、行動を起こすことが必要だと思った。
- 最後の伝説のスピーチは心に響いた。
- 台所洗剤は注意書きをよく読んで購入したい。
- 自分の批判的思考は良くないと思っていた。これで良いと勇気がわいた。
全講座を通しての感想(アンケートより抜粋)
- 今回の学びをしっかり実践して行こうと思う。
- 微力ではあるが、講座の内容についてまわりに伝えたい。
- 様々な面から勉強できた事、大変有意義だった。家庭や地域で発信し行動したい。
- 普段の生活の中で、理解していないことがたくさんある事に気づいた。
- 未来の子ども達の事を考えて行動しなければならないと思った。