平成29年度 福井県消費生活センター主催
消費者教育担い手養成講座
「わたしの選択とこれからのくらし
くらしの基本セミナー(全10回)」
第10回 「まとめ・消費者市民社会」・閉講式・消費者団体との交流会
日時:平成29年11月15日(水)10:00~12:30
場所:アオッサ6階 研修室601C
講師:行政書士まきオフィス 代表
フェアトレード&エシカル消費「Yellow?」代表 小川 真紀 氏
福井県主催 消費者教育担い手養成講座「くらしの基本セミナー」が9月より始まり、今回が最終回となりました。
第10回のテーマは「まとめ・消費者市民社会に向けて」です。
これまでの講座の振り返りを行った後、小川 真紀 氏を講師にお迎えし、「消費の裏側・賢い選択とは?チョコや雑貨など身近な商品を通して」と題して、締めくくりの講義をしていただきました。
誰もが消費者であるという認識のもと、小川氏より「消費者とは強い存在?それとも弱い存在?」との問いかけがありました。日本人は約6割の人が製品やサービスに興味や関心がなく、購入前にあまり検討しないとのこと。2016年の全国消費生活相談は、88.7万件にものぼるそうです。自給自足の時代から、大量販売・大量消費の時代に入り、現代の消費社会が抱える問題やモノやサービスを買うときも代金を支払うときも中間にいくつもの代行業者が入り、そのために見えなくなってしまった消費の裏側、生産現場の現状について教えていただきました。
こういった現状をふまえた上で、社会を変えるにはどうしたら良いのかを考えました。その答えのひとつが「エシカル消費」です。エシカル消費とはより良い社会に向けて、人や社会・環境に配慮した消費行動です。その中で、社会的・経済的に立場の弱い生産者に対し、公正な賃金や労働条件を保証した価格で商品を購入する「フェアトレード」について教えていただきました。小川先生にお持ちいただいたチョコレートやペンケース、スカーフなどのフェアトレード商品に実際に触れ、品質やデザインといった基本性能の良さを実感することができました。
最後に、消費者は弱い存在とも言えますが、「買い物は投票」と考えれば、社会にとって良い買い物をすることでこれからの社会を変えていく強い存在でもあります。「エシカル消費とは思いやり消費・おもてなし消費」「賢い選択とは、わたしの幸せとみんなの幸せのための買い物。」とまとめられていました。
このセミナーに8回以上出席された受講生には、福井県消費生活センターの南保所長から修了証書が手渡されました。本講座の目的は、10回の講座を通して、消費者として「自分ができることは何か」を考え、学び、発信すること、自分たちの選択がこれからのくらしを変えていけるということについて学んできました。この経験を、今後のくらしに生かし、ぜひ発信していってほしいと思います。受講生の皆様、お疲れさまでした!
参加者のみなさんからの声(アンケートより抜粋)
- 生産者がどのような環境で働いているのか考えていかなければならないと思った。
- これからどのようなことに貢献できるのか考えたい。
- グループワークで、参加者の意識の高さにびっくりした。
- 実際にフェアトレード商品を試食でき、皆さんと日頃思っていることを気楽に話せた。自分の考えも大きな議題に入れる。先生の誘導も押しつけではなく、意見を上手に引き出される。楽しみ学べる時間だった。
- 考えながら話を進めていくセミナーはすごく良かった。消費者としての心構えを勉強させてもらった。即実行したい。
全講座を通しての感想(アンケートより抜粋)
- 今回学んだことを、今後の仕事の上でも日常生活においても少しでも生かして行けるように頑張りたい。素晴らしい講座だった。
- 今回の講座は、大変参考になった。これからも物事や商品へ関心を持って暮らしていきたい。
- 「エシカル消費」という言葉もこの講座で初めて知った。色々な分野の専門的な話を聴けて毎回とても楽しかった。ここで得たことを発信していくことが課題だが、まず自分の周りから伝えていきたいと思う。
- 色々な分野のお話を聞けてとても勉強になった。講義の後から、モノを買う時に意識的にしっかりと考えて買うようになった。
【消費者団体との交流会】 福井県消費生活研究会 会長 加藤 由美子 氏
加藤会長より、同団体の一年を通しての活動内容についてご紹介いただきました。自主研究組織として月1回の定例会を持たれ、商品テストなども行っているそうです。「せっかく学んだ知識を今後の活動に生かしていきましょう」とお話がありました。